PRコーナー 2010

無断転載を禁ずる。


こういうページを書くのはやめるつもりだったのに、どうやらぼくは雑記帳にモノを書くのが基本的に好きらしい。結局こんなコーナーになってしまいました。でもこのコーナーは以前のものと異なり、単なるPRコーナーにする予定(のつもりがすでにケンカを売るコーナーになっているような気がしないでも)。

 

更新はあまりしないつもりですので、毎日のぞいてみるなんてことしないように。そんなヒマがあったら勉強しなさい。

一応、想定する読者は社会科学系の大学院生ですが、それもトピックによって変わることでしょう。(2003.2.13)

例によって緑字は本音。


12月10日

30回連載を書いていて思い出すこと。高校サッカー部の練習の最後に待ち構えていた30本インターバル。

バカ体力のある先輩が、最初の1本が終わって、「あと、29ホーン!」と叫ぶ。あのときのやるせなさ。。。

コーチの「まついー、はしれよー」というあきれたような声以上につらいものでした。でも結構進んできた。


12月2日

連載のネタを探しているうちに娘の好きな(と一応言い訳をしておく)「ジュエルペット」にも手を伸ばしてしまいました。「てぃんくる☆」結構おもしろい。

昔話は梶井せんせがいろいろ書いているので軌道修正でーす。「わらしべ長者」は惜しいな


11月29日

ようやく、改定版を完成させました。最後、先週は、共同研究者のIn-Kooと二人でへろへろになりながら、Line-by-line editing。まだErrorは当然残っていることでしょう。

推薦状はこれから書きます。

今月は朝日さんに書かせていただきます。ありがたいことです←12月のことです(訂正on 12/2)

年始からは、 ○○新聞で、大型連載を開始します。全30回(!)です。本当にできるんだろうか…?

コンセプトは、童話で学ぶ経済学、じゃなかった。「市場を考える」です。現在、宮沢賢治やら日本昔話やらを読書中、というか正確には読み聞かせ中。目指せ一石二鳥、ならいいけど二兎追う者かもしれんな

そんななか、元学生(二人も!)からJobを得たというニュースも飛び込んできました。めでたし、めでたし


10月4日

October 4th, 2010

Information and announcement re scores in microeconomics (grad, upper course for undergrad) summer semester:

Total score (out of 100)= (Final(%)*.7+Midterm(%)*.3)

Average: 54.8

Standard deviation: 18.9

max=88.3

scores #students
80- 5
70-80 9
60-70 6
50-60 10
40-50 6
30-40 8
0-30 6
total 50

For individual scores, please come to my office (1307) during the office hour extended to 9:30-12:30 on October 12th.

As for the curve, I cannot say much at this point as we have another half to go. A possible very rough benchmark would be 70 and above as a promissing road toward A, 60-70 as threshold between A and B, 40 and above toward credit, and 30-40 as threshold for credit.


9月30日

9月は、いつもヒマにしていたのが悔しいくらい、猛烈な月でした。前半は、イリノイとウィスコンシンにセミナーに出かけ、共同研究者のIn-Kooとは、連日16-20時間ワークでへろへろになり(なんと酒を酌み交わす時間も惜しんで議論してしまいました)、帰ってからも改定。その合間を縫って、後半は締め切り原稿が7本!それも「経済論壇から」で鍛えた(かなり怪しい)速読、速書き(?)能力のおかげで何とか終了しました。返事ができなかったみなさん、そういうわけですので、どうぞお赦しを。必要な方は再度メールをいただけると助かります。すみません、完全な言い訳です。

で、今朝の朝日新聞でわれわれの研究グループ、ゲーム理論、そして在宅就労の「宣伝」を思い切りさせていただきました。ぜひ、ご覧になってくださいませ。オピニオン面の「あすを探る」のコーナーで、見出しは、「障害者活かすゲーム理論」です。結構、本気です。あ、あと東さんのベーシック・インカムに関する論壇時評もご覧くださいませ。


7月7日

夏学期のゼミが終わりました。今年度は32人の大所帯となって、運営に不安を抱えてのスタートとなりました。で、講評というか感想です。

今学期は坂井・藤中・若山「メカニズムデザイン」の第1章を読んだのですが、予想がいい意味で大幅に裏切られました。正直な話、現4年生が昨年度末に投票で選んだこの本は学部生にはとても読めるものではないと思っていました。とくにわたしのゼミは必ずしも成績のいい学生を集めているわけではない(ごめん)ので、落ちこぼれが大量発生することが懸念されたのです。しかし、ゼミが始まってみると、発表に当たった班は本だけではあきたらず、元の論文を読み込んでくるではないですか。大学院の研究会を開いているかのような進み方に正直、舌を巻いてしまいました。しかも、発表者は当日班の中からくじ引きで決めるのですが、だれが当たってもレベルの高い発表が聞けてわたし自身大変勉強になりました。何せMaskinの定理の証明までゼミで悠々とカバーしてしまうのですから、これまでレベルの高いゼミ生に囲まれながらも散々皮肉を言ってきたわたしですら、このようにPRしたくなるくらいの驚きでしびれています。本人たちに直接言うのは、何なのでこうやってここにメモしている次第です

とくに今学期目指したのが、「できない、わからないと思っていたことが少しでもわかるようになる喜び」を伝えたい、ということだったのですが、果たしてその辺りのことには成功したでしょうか。本人たちに直接訊くのは、何なのでこうやってここにメモしている次第です

ヘビーな講義を3コマ抱えて息切れし、おまけに合間を縫って2週連続YaleのCowles foundationのeconomic theory conferenceとBerlinのinclusion internationalworld congressに行った(さらに言えばW杯での夜更かしが祟った)ために風邪をひいて青息吐息だった夏学期もゼミの充実ぶりで、十分元が取れた感じです。その夏学期も余すところ一週間。何とかトンネルの向こうに明かりが見えてきました。


6月3日

いやあ、昨日の鳩山首相の辞任の弁はすばらしかったですね。何と言っても、

国民のみなさんが徐々に聞く耳を持たなくなってきてしまった。

ですよ(多少の引用のずれはご容赦)。家で大受けでした。一人前の首相(名前は忘れた)は、最初の選挙運動のとき、有権者に向かって、

下々のみなさん、

と呼びかけたらしいですが、それに勝るとも劣らない名セリフでした。で、わが家での会話:

妻:何様だと思っているのかしら

僕:殿様だと思っているんだよ

政治家だなあ、と感心したのは亀井さん。連立を組むかと聞かれ、

政策が合えばそうするし、そうでなければそうでない

だそうです。政治家たるもの、このくらい曖昧に言わないといけませんね。


5月25日

最近、腹の周りに肉の腹巻をつけているような感触がする。それもそのはず。マラソンをやっていたときと比べて8kgも増えているのだから。体脂肪率も10%近く上昇。悪性腫瘍の疑いで精密検査を受ける羽目になったのが9年前。医師にも脂なさすぎと指摘され、妻にも「過ぎたるは及ばざるがごとし」とばかりに愚か者呼ばわりされたので、改心したら10年近くかけて悪性脂肪(?)がこんなに増えてしまった。 サッカーも続けているのに・・・

今日はファカルティ・セミナーでIn-Koo Choとの未完成論文を発表。well-receivedだったので、結構うれしいです

高校生からのゲーム理論』の第3刷が決まったという知らせをいただきました。好意的な書評もいただき、感謝しています。とくに、読み手によって、いろいろな角度から読める本を目指したので、評者によってポイントが異なるのもうれしいかぎりです。友人の小島寛之さんの書評も熱くてびっくりです。どうもありがとう! で、一言レスポンス:

はい、現在の高校生は中国史には部分的に極めて詳しいです。三国志はその典型です。二人前の首相の名前を答えられる高校生より劉備玄徳の軍師の名前を答えられる高校生のほうが多いかもしれません。実際に高校生に草稿段階で読んでいただいたときも、相対的に高い評価を得ました。それに比してギリシャの話は「人の名前が多くてわかりずらい」などのコメントをいただき、人物名を削除したり、記述を簡素化しました。(^^;

その他、「きつねの手ぶくろ」は一様に高い相対評価をいただく一方、慣習と規範についてやや抽象的な話を書いた節は一様に低い相対評価だったので、思い切って削除、代わりに「帰国子女の女の子」の話を滑り込ませたりしました。


4月14日

高校生からのゲーム理論』が重版されました。さすが新書。有り難いことです。でも、今回の本はむしろ心にとどいてほしいなあ


3月29日

4年生のみなさんは、それぞれの新天地を目指して飛び立って行かれることと思いますが、わたしにも小さな「卒業」がありました。

3年間月1回のペースで務めた日経新聞の「経済論壇から」が昨日付けでついに終わり、福田さんにバトンタッチしたのです。長かったー。マラソンを走り終えたときのような感覚です

とくに最初の数回は右も左もわからず、最低賃金を下回るのではないか、というくらい苦労しました。

3年間、教育から医療までいろいろな分野を取り上げさせていただきました。至らぬ点は多々あったかと思いますが、それでも3年間続いたのは、担当記者の的確なコメントや編集と読者のみなさまのおかげと思っております。これは本音です

あと、著者の方には内容がねじ曲がって紹介された、と憤慨されている方もおられると思います。この場を借りてお詫びしておきます。本当にごめんなさい。ときどき、記者に自分の発言を曲げて伝えられたと憤慨している研究者等の話を聞きますが、記者さんの側の苦しい台所事情を味わった気分です

最後の2回くらいは、「がんばれニッポン!」という気持ちで書かせていただきました。五輪の影響?

メッセージが少しでも伝わっているとよいのですが。。。

で、一呼吸おきたいところですが、4月からは別の新聞のほうでお世話になります。年2回なので、「論壇」よりは荷が軽いことを期待しています。

4月上旬には、ちくまさんから『高校生からのゲーム理論』という本も出ます。


3月12日(18日加筆)

専門科目1ミクロ経済学(駒場ミクロ、主対象:東京大学教養学部2年生のうち経済学部に進学が内定したもの)

問題 (90分)

成績分布(( )内は割合)

60%以上 優 (12%)

40%以上 良 (42%)

25%以上 可 (34%)

25%未満 不可 (12%)

平均点: 43%(52点/120点満点)

講評:

通常(?)の分布に比べ、優と不可が少なめかもしれません。最高点は103点(120点満点)で、96点(80%)以上をとった方は3名(413名中)でした。各問とも基礎半分、応用半分とし、平均60点(50%)を目指したのですが、分量が多かったせいか、若干下回りました。問1の最初の2つの小問の平均点がかなり高かった(18点/20点満点)ので、安心しました。一方思ったほど点が伸びなかったのが問2のゲーム理論と問3の一般均衡です。問1の平均が25点(40点満点)に対し、問2、3(各40点満点)の平均はそれぞれ14点と13点でした。可能性としては、問1で時間を使い過ぎた、基礎問題といえども勉強の手が回らなかった、などが考えられるでしょうか。問1の後半、独占のときの価格規制は応用力を試すだけでなく、経済的な意味としても重要ですので、ぜひ復習していただければと思います。問3の後半のレオンチェフ型の効用関数の場合の均衡やパレート最適点の集合などの問題は「解き方」だけでなく、「定義」をきっちり把握していないと解けません。最終的にはこの辺りの問題がきっちり解けるようになっていただければうれしいです。

個別の成績については、成績表でご確認ください。


3月12日

Yunが、韓国で仕事が見つかったため東大を辞職しました(おめでとう!)。で、Yunが講義する予定だった「経済学のための数学」のピンチヒッターを私がやることになりました。2009年度後期の駒場ミクロを担当し、2010年度はゲーム理論も担当するので、今度の新3年生でミクロ理論に興味のある方は、私の講義ばかり聴く羽目になります。かわいそうに。でも、一科目は不可抗力ですので、どうぞお許しください。さすがに私のゼミは止めたほうがいいかもしれませんね(来てほしくない、と言っているわけではありません。念のため)。


3月9日

トリプルアクセルならぬトリプルSがやってくれました。

Journal of Physicsにquantum game のかれらの論文

Uniqueness of Nash equilibria in quantum Cournot duopoly game

Yohei Sekiguchi, Kiri Sakahara and Takashi Sato

Provisionally scheduled for March 2010

がアクセプトされました!とくにKiriくんにとっては、この論文が初のPublicationです。経済学部に就職できないのではないか、と心配です。


3月3日

いよいよ子どもが4月から小学生になります。近所の認可保育園がいっぱいで、青山にある一軒家を借りた小さな無認可保育園/幼稚園にお世話になったのですが、これが大当たりでした。無認可保育園というと、いわゆる「託児所」という言葉を思い浮かべてしまいますが、園庭がないだけで、どちらかと言うとハイエンドの幼稚園といった感じ。運動は青山墓地(!)などで十分できますし、英語の発音もきれいになりました。確かに無認可(補助金が出ない)ということもあって、それなりの月謝ですが、子どもの成長を考えると、十分元がとれます。とくに働くお父さん、お母さんにやさしい幼稚園で、本当にストレスフリーでした。首都圏で共働きの方、一人親で残業の多い方の強い味方。オレゴン・アクセントの英語レッスン(遊び時間)もあるので、サバティカルでオレゴン(?)に一年だけ行くという研究者にはとくにお奨めです。もっともうちの子はすでに英語コンプレックスです。

追(3月5日):うちの近所では、認可保育園は空き待ちの状態で、(延長保育のない)幼稚園は定員割れが続いています。みなさんもご存じの待機児童問題ですね。似たような問題を抱えている同僚にも「論壇に書いてくださいよ」と言われて、チャンスは窺ってはいたのですが、わたしの担当分もあと一回となってしまいました。つぎの方に委ねたいと思います(だれかは内緒)。


3月1日

奥野先生の東京大学教授退任に伴う最終講演会は大変な盛会でした。Short noticeであったにもかかわらず、2月27日(土)当日は150部用意していたパンフレットがなくなってしまうなど、予想をはるかに上回る方々にお集まりいただきました(締切りまでの参加表明者は120名だったのですが、それからもかなり増えたようです)。題目は「社会における信頼の生成と維持」という、先生が四半世紀以上取り組んできたテーマに関するもので、非常に中身の濃い講演会となりました。私自身について言えば、改めて先生のmotivationに大きな影響を受けてきたのだなあ、と感じた次第です。先生の業績について、まとめたものを書こうかと一瞬考えたのですが、無理そうなのでやめました。何せ、英語論文だけでも50篇もあって、主要な論文を読むだけでも(他の仕事をやらずに集中しても)1ヶ月くらいかかってしまいそうです。代わりに、私が教授会後の集まりで述べさせていただいた「送る言葉」を代わりに挿入しておきます。

このくらいでは、まだ重要な業績がかなりもれていますが、ご寛恕ください。

***

奥野先生は、1969年に本学部を卒業後、1973年にスタンフォード大学にてPh.D.取得されました。その後、ペンシルバニア大学、イリノイ大学といった米国有数の大学で教鞭を取られました。この間、主として一般均衡理論でベールとして無視されがちだった貨幣を明示的に導入し、とくにOLGモデルにおける貨幣の役割について世界的な業績をいくつも挙げられました。

David Cass, Masahiro Okuno, Itzhak Zilcha, "The role of money in supporting the pareto optimality of competitive equilibrium in consumption-loan type models," Journal of Economic Theory, Volume 20, Issue 1, February 1979, Pages 41-80.

OLGモデルは、Samuelsonの58年のモデルが基本モデルとされています。基本モデルでMoneyの価値が0の場合をbarter equilibrium, 正の場合をmonetary equilibrium と呼ぶとすると、つぎのような存在定理と最適定理が得られます。

存在定理 monetary equilibrium exists iff no barter equilibrium that is Pareto optimal.

最適定理 If a monetary equilibrium exists, then there is also a monetary equilibrium that is Pareto efficient.

COZ論文は、この結果は定常経済など一定の制約下での結果であって、定常性などが成立しない場合は、必ずしもこれらの定理が得られないことを示しました。COZ論文は現実に照らしてきわめて妥当性のある非定常的なOLGモデルでは、市場が必ずしも調整機能を果たしてくれないということを示したという点で衝撃的な論文と受け止められました。

 

その後、日本に帰国。横浜国立大学を経て、東京大学に着任されたのが、1984年です。1980年代はゲーム理論がさまざまな分野で花開いた時代でもありました。とくに産業政策でも新しい考えが必要とされていたという時代背景もあり、ゲーム理論は新産業組織論という形で大きな分野を形成していくことになります。その分野で日本をリードし、世界にも認められる存在だったのが奥野先生でした。このころの研究はかなり実学的なものが多く、学生の中にも先生の影響を強く受けて官僚として産業政策を推進した方々も多くおられます。とくに日経賞をとられた「産業政策の経済分析」では共同執筆者の伊藤元重先生、当時一橋大学の鈴村先生、そして清野一治先生とともに小宮先生から「4人組」と称せられたというお話が伝わっております。

 

1990年代はまた新しい分野に取り組まれたときでした。スタンフォード大学の青木昌彦教授と比較制度分析なる分野を推進し、アメリカと日本など異なる経済制度が並存する経済社会というものを読み解く大きな分野を築き上げました。

 

そのほかに今日でもよく言及される論文に

Alvin E. Roth, Vesna Prasnikar, Masahiro Okuno-Fujiwara and Shmuel Zamir, "Bargaining and Market Behavior in Jerusalem, Ljubljana(Yugoslavia), Pittsburgh, and Tokyo: An Experimental Study,"

The American Economic Review, Vol. 81, No. 5 (Dec., 1991), pp. 1068-1095

があります。これは4都市で同一の実験を行って、結果の違いを見るという当時としては極めて斬新な実験経済学の研究でした。ここでは、市場ゲームと交渉ゲーム(ultimatum game)を実験室で行い、市場ゲームは同じ市場均衡に収束したものの、交渉ゲームでは異なる結果が得られています。とくにアメリカとユーゴに比較して、日本で相手に渡そうするシェアが低いという点は非常に興味深いものでした。

 

また、このころはいわゆる学界での活躍も目立ったころです。1990年にエコノメトリックソサエティのフェロー(終身特別会員)になられ、1995年には、日本で開催された世界大会の運営委員長を務められました。また、2000年には日本経済学会の副会長、翌年には会長を務められました。

 

学界での活躍が一段落した後には、再び学問への情熱が湧いたと言われる奥野先生ですが、その言葉を裏書きするように、昨年2009年には、Review of Economic Studiesに "Voluntarily Separable Repeated Prisoner's Dilemma," (with Takako Fujiwara-Greve) Review of Economic Studies, Vol.76(3), 2009, pp.993-1021.

を発表されました。

 

内容は人々が出会って長期関係を結ぶときに初めから協力するよりも少し様子を見ながら信頼関係を築いていったほうがより効率的なアウトカムを達成できるというもので、理論は現実の人々の行動を観察し、そこから洞察を深めることで発展させることができる、ということを改めて教えてくれる素晴らしい論文でした。

 

先生の研究熱は未だ冷めやらずというところで、退職されてしまうというのは、われわれにとっては残念なところではございますが、もとより研究は職場が作るものではなく、研究者自身が作るものですので、先生の創作意欲が減じることはなく、われわれに薫陶を与え続けてくださるものと確信しております。

 

以上、僭越ながら奥野先生を送る言葉とさせていただきたいと存じます。先生、これまでどうもありがとうございました。

 


2月2日

最近、ときどき講義を忘れて、「しまったぁ!」といういやな夢を見ます。夢でも、ま、いっかと思えない自分がくやしい。。。

また、超弩級の仕事が降ってきました。一言で言えば奴隷奉公です。他にもいろいろ貢献しているのに、はっきり言って不公平感は拭えません。一応クレームは出しましたが、単なるクレーマーとして処理されたようです。本当に不愉快です。(−_−)みなさん、しばらく不機嫌なので、よろしく!!!

追(2月8日):そうは言っても、冷静になって考えると、数年前の総長補佐の仕事に比べれば10分の1くらいのロードか。不機嫌なことには変わりありません。


2月1日

更新しないまま2月に入ってしまいました。また、思いつくままに何点か。

1月後半は38度をおして駒場で講義をしたせいか、風邪をこじらせて体調不良が続きました。とはいえ、昨日は市民大会壮年の部(O−40)で三連覇を達成して金色のメダルをもらってきたので、ごきげんです。子どもは「違う色がよかったのに」と言っていました(やな感じー)が、ひもの色が違ったので勘弁してもらいました。一般の部はもうリタイヤします。

日経の『経済論壇から』は民主党の政策に対する批判が多いので、書きやすいと言えば書きやすいです。必ずしも民主党が嫌い、というわけではないのですが、どうしても論評の論評なので、そうなってしまいます。鳩山首相の施政方針演説は突っ込みどころがあって、面白かったのですが、論壇には間に合いませんでした。残念

ちなみにその演説関連で最高なのはやはり「七つの大罪」の「労働なき富」に対して、「お前のことじゃないか」とヤジが飛んだところと、演説直後の与党側の国民新党の議員のコメント、「『いのち』という重みのある言葉をめったやたらと使った(間)、いい演説だった」というものでした。「めったやたら」という言葉を褒め言葉として使った例はあまり聞いたことがなかったので新鮮でした。

4月に、『高校生からのゲーム理論』と題して、新書をちくまさんから出させていただく予定です。ちくまプリマー新書というシリーズ。現在ゲラの校正中です。みんな買ってね。

4月から経済論壇がなくなるのでさびしいなあ、と思っていたところ、別の新聞社さんからもう少し小ぶりのお話をいただきました。(文字通り)有り難いことでございます。


2009年のもの