古代ギリシャ世界への旅 2005 (copyright Akihiko Matsui)

 

 

4日目

 

トルコを離れ、小さなフェリーでギリシャ側の島サモスへ渡る。ちゃんと出国用のパスポートコントロールがある。出航後しばらくして数頭のイルカを発見!そうそう、これを見なくては話にならない。よくテレビなどで見るイルカと違い、白のぶちが入っていて、どちらかというと、鯨の小さいやつのよう。カメラを取り出す間もなく、青い海に消えていく。

2時間ほどでサモスに着く。トルコでは赤い旗がはためいていたが、こちらは青い旗一色である。湾に向かってすり鉢状の斜面に明るい赤茶色の屋根が並ぶ。湾の奥でも水は相変わらず青い。

 

ギリシャでは、月曜日ということで、遺跡も博物館もお休み。サモスタウンでのんびり過ごす。ムサカを食べる。素材はひき肉、トマト、じゃがいも、なす。これらを炒めてからベジャメール・ソースをかけオーブンで焼く感じかな。ホワイトソースに卵が入ったようなソースが味の決め手。シナモンの味の利かせ方もポイントか。わが家のムサカも引けをとらない、と勝手な論評をしながらむしゃむしゃ食べる。昼間からサモスワインで酔っ払う。

 

5日目

 

サモス島内をタクシーをチャーターして回る。サモスタウンから山道をぐいぐい上っていくと、台地上の農耕地に出る。その緑の豊かさにまず驚く。アテネのあるアッティカ地方とは大違いだ。そこから修道院に向けて断崖絶壁に切られた道をさらに上る。途中、運転手がここがいい、と降ろしてくれたところで息を呑む。眼下にエーゲ海の深い青。右に目を転じれば台地の緑。正面にはサモスの山。そしてその向こうにトルコ側、小アジアの大陸だ。サラミスの海戦後、ペルシャ軍に打撃を与えた古戦場の一つであるミュカレの山も見える。

 

さらに少し上ったところに修道院が建っている。時間外だったが、見学させてくれた。糸杉が点々と植えられた中庭は天国に一番近い場所といった趣きがある。ここにいたら神様を信じようか、という気になるかもしらん。

続いて島の南側の古代サモスのほうに入る。山の中腹に点在する集落の一つを指差して「わたしの出た村です」と運転手。緑が豊かで時間がゆっくり流れていて羨ましいと思うのは、旅行者の感傷にすぎないのであろうか。タクシーはヘラの神殿に着き、パルテノン神殿の2倍はあるという神殿の礎石の間を巡る。風景とマッチしてとてもゆったりした気分に浸る。

 

夕刻、今度は大型フェリーでミコノス島へ。サモス島の沿岸を伝うように船は進み、サモス沿岸を離れたと思ったら、イカリア島が見えてくる。深夜、ミコノス島に到着。明日はいよいよ「イルカの島」の舞台、デロスの島へ行く。

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